ギリシャ神話の神々、妖精、妖怪、英雄の名鑑
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パイドラ(愛の悲劇の女性)
エウリピデスの悲劇『ヒッポリュトス』で有名となっている女性であるが、義理の息子ヒッポリュトスに恋し、それが受け入れられなかった時、「ヒッポリュトスに襲われた」とのウソの手紙を残して自害し、ヒッポリュトスを破滅させてしまう。

パエトン(太陽神ヘリオスの子)
太陽神ヘリオスの落とし子であったが、長じて父ヘリオスに再会、「太陽の馬車」を走らせたいと願い、太陽の馬車は軌道を外れて暴走し、そのため地上ばかりか天界までその烈火に焼かれ、神ゼウスは雷を落としてパエトンを焼き殺し、エリダヌス河へと墜落させていった。

パシパエ(怪人ミノタウロスの母)
クレタ島のミノス王の王妃であったが、ミノスが神ポセイドンとの約束を守らなかったために呪いを受け、牛に恋してしまうようにされて、名工ダイダロスの作った雌牛の張りぼてに身を入れて雄牛と交わり半牛半人の怪物「ミノタウロス」を生んでしまう。

ハデス(神・最重要神の一人)
ゼウスの兄弟で、クジ引きにより「冥界」を司ることになる。したがって地上に居られないので、オリュンポス山に住居を持つ12神からはずされてしまった。しかし、死者の行く「冥界の王」なので役割としては重要(「オリュンポスの神々の物語」の章参照)。

パトロクロス(トロイ攻めの戦士、アキレウスの親友)
トロイ攻めにあって、アキレウスが総大将アガメムノンと仲違いをして戦陣を引き払った時、彼もアキレウスに同行する。しかしギリシャ軍がトロイ勢に押しまくられ敗色濃くなった時に、アキレウスの鎧甲を借り受けて戦陣に復帰し、ギリシャ軍を立て直すが深入りして負傷しトロイの大将ヘクトルにとどめをさされてしまう。このことがアキレウスの復帰とヘクトルとの一騎打ちへと連なっていく(トロイ戦争伝説の各章を参照)。

パラメデス(知の英雄)
ケイロンに養育された英雄の一人。伝承ではさまざまの事件において「使者」として説得、調停、交渉に当たっている。有名なのは、トロイ攻めの時に出征をいやがるオデュッセウスを説得に赴き、狂気を装って馬鹿な畑の耕作をしてみせているオデュッセウスのウソを見破るため生まれたばかりの息子をその鋤の前においたところ、オデュッセウスはそれを避けたためウソを見破られたという話がある。後日談があって、それを恨んだオデュッセウスがパラメデスを策略にはめて無実の罪を着せて殺させたとなる。しかし、この話はホメロスの叙事詩での描きとは矛盾する。かなり後代になってオデュッセウスが「策士」として嫌われるようになっていった時代に作られたものと思われる。

パリス(トロイの王子でヘレネの誘惑者)
トロイ戦争の原因となる「トロイの王子パリスによるスパルタの女王ヘレネの略奪」の当事者。これには前段の話があって、アキレウスの父母となる英雄ペレウスと海の女神テティスの結婚式の時に「三美神の争い」があり、その女神の一人「アフロディテ」が「自分に勝利の黄金のリンゴをくれれば絶世の美女をおまえにやる」という約束に基づいたものであった。ホメロスの『イリアス』では彼はただの色男だけの男としか描かれていない(トロイ戦争伝説)での各章を参照)。

ハルプュイアイ(妖怪鳥)
「アルゴー船伝説」などに登場する「妖怪鳥」。人間の顔を持った鳥の姿をしており、二人ないし三人姉妹とされる。呪われた人物のところに「疾風」のように現れて食卓を荒らしフンで汚してすさまじい臭気を残していくとされている。多分、自然現象としての「疾風、旋風、竜巻の精」であったと思われる。また、墓場で彼女たちに供物が捧げられる習慣があったとされるのでこの場合は「死霊」ともなる。

ハルモニア(テバイ建国の英雄カドモスの妻)
彼女は、もともとは神アレスと女神アフロディテの娘であったが、英雄カドモスがテバイを支配することになったときにカドモスの妻として授けられた。そのときに神々は彼女に結婚祝いとして「衣・ペプロス」と「ヘパイストス作の首飾り」を贈り、これは女の目を狂わすものとなってアンピアラオスの悲劇(同項参照)を生む原因となった(「テバイを巡る伝説」「アムピアラオス伝説」の章を参照)。

パン(山野の神)
上半身は人間で下半身が山羊、頭には角を持ちひげがぼうぼうという姿でイメージされている。元来アルカディア地方の神であったものが全国的になっていった。アテナイの伝承ではペルシャ戦争の折、マラトンの戦いにおいてパンが支援に駆けつけてくれて勝利でき、そこでアクロポリスの麓にパンの社を建立したとあるように、本来は力のある神であったようだが、後代ではいたずら好きで好色、妖精や少女を追いかけ回し、また、すばらしい足笛を吹き、踊りが大好きで名人という姿で描かれ、牧歌趣味的にも描かれるようになってしまう。

パンドラ(原初の女、悪の根源)
神プロメテウスが天上の火を盗み出して人間を救ってしまったため、ゼウスが人間界に災厄をもたらすために作り出したもので、「欺瞞の手立て」としてあらゆる神々の手が入っているため「パン(全て)の贈り物(ドラ)」と名付けられたという。「女の種族」の始まりとなる(「プロメテウスの神話」の章を参照)。

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ヒッポリュテ(女軍アマゾンの女王)
軍神アレスの娘とも言われ、ヘラクレス伝説ではヘラクレスの難行の一つとしてこのヒッポリュテのもっている「軍神アレスの帯」を奪ってくることというのがある。彼女はこの時ヘラクレスに殺されたとも、あるいは、アテネのテセウスに浚われた妹を奪回しにアテナイを攻めたが破れ、気を落として死んだとも、またさらに、このテセウスと交わり子ヒッポリュトスを得たとも言われる(「ヘラクレス伝説」の章を参照)。

ヒッポリュトス(純潔の青年)
エウリピデスの悲劇『ヒッポリュトス』の主人公。アテナイの英雄テセウスの子とされるが、もともとはテセウスの出生の地とされるトロイゼン地方の「地方神」であったらしい。物語としては、彼は女神アルテミスの従者として「純潔」を保つ者であったが義母パイドラ(同項参照)に恋されてこれを拒絶し、パイドラの「彼に襲われた」とのウソの手紙で父テセウスの呪いを受けて破滅していく。トロイゼンでは花嫁が結婚前にヒッポリュトスに髪の毛を捧げて彼を悼むという儀礼があった。

ヒュアキントス(花となった美少年)
スパルタ地方のアミュクライの少年で、アポロンに愛され、円盤投げに興じていた時に円盤がヒュアキントスの頭に当たって死んでしまったという。これは西風ゼプュロスが二人を妬んで風をおこしたためとも言われる。そしてヒュアキントスの流れた血から花が咲き出て、それには「AIAI」ないし「Y」の文字が見られたという。この花が「ヒヤシンス」ということにされるのだが、しかし実際は「アイリス」と言われる。

ヒュアデス(群星の娘たち)
牡牛座に「すばる」とともに位置していることで知られる群星であるが、神話としては一般に「七人姉妹」の妖精とされ、神ゼウスにディオニュソスの育成を頼まれたが、ゼウスの妻ヘラを恐れて逃れ、ゼウスによって天におかれたとされる。

ヒュギエイア(健康の女神)
本来「健康」の擬人神であるが、後世になって「医神アスクレピオス」とともに崇拝の対象となって「蛇を持つ若い女性」の姿で神像として表現されるようになる。蛇は「医ないし健康のシンボル」である。

ヒュドラ(怪物の水蛇)
ヘラクレス伝説での第二の冒険の対象となる怪物。レルナの湿地に住み、九つの頭を持ち、中央の頭は不死であり、残りも切り落とされても再び生えてくるという怪物であった。ヘラクレスはこれには手を焼き、甥のイオラオスの助けを得てようやく退治した(「ヘラクレス伝説」の章を参照)。

ピュトン(デルポイにあった大蛇)
大地ガイアの子として、デルポイにあって神託を与えていた原初の神であったが、アポロンに退治されてその神託の座をアポロンに譲ることになる。

ヒュペリオン(原初の神、クロノスたち巨人神の一族)
「テイア」を妻として天空神「太陽のヘリオス」「月のセレネ」「曙のエオス」を生む。従って時に、このヒュペリオンの名前はヘリオスの異名としても使われる。

ピュリラ(菩提樹の妖精)
神クロノスが彼女を狙い、妻の目を隠すために彼女を馬の姿にした(あるいは彼女がクロノスを逃れるため馬の姿に変身した)が、クロノスも馬の姿となって彼女と交わり、そのため彼女は「半人・半馬のケイロン」を生んでしまったという。彼女はそのケイロンを育てて幾多の英雄を育てる最大の教育者にした、とも、恥じて「木」に変身してしまったともいう。その名前は「菩提樹」を意味し、後者はその菩提樹の由来話しとなる。

ピロクテテス(トロイ攻めの英雄)
ヘラクレスより弓矢を授けられていた英雄でトロイ攻めに参加したがその途中で毒蛇に足をかまれ、そこが膿んで悪臭を放つためにレムノス島に置き去りにされてしまったという。10年の後、トロイを落とすには彼の弓矢が必要ということで呼び戻される。その次第がソポクレスの『ピロクテテス』という悲劇に描かれている(「トロイの落城」の章を参照)。

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プシュケ(愛神エロスの恋人)
ローマ時代のアプレイウスの『黄金とロバ』という物語の中に「愛のエロス(アモル)とプシュケの物語」として描かれて有名となった。エロスに愛されるが、その姿を見てはならぬとの禁止の言葉を犯してエロスに去られ、彼を求めてさまざまの試練に耐えていく物語となる。このプシュケは「人間の魂・心」という意味であり、「愛と魂の寓話」となっている。

プリアモス(トロイの王)
トロイの王であったがミケーネ・ギリシャに攻められた時には老境にあり、全権を息子ヘクトルに譲っていた。ヘクトルがアキレウスに討たれて後、その死骸の返還のために一人夜陰に紛れてアキレウスを訪ねて懇願し、ヘクトルの死骸をもらい受けてくる。

プリクソス(アルゴー船伝説の機縁)
迫害され、黄金の羊に乗って黒海の東端のコルキス(現在のグルジア)へと渡り、このことが後にイアソンたちの黄金の羊の毛を求めて冒険していくアルゴー船を引き起こしてくる。

ブリセイス(トロイ戦争でのアキレウスの愛人)
トロイ戦争にあって捕虜となりアキレウスのものとなったが、アガメムノンが自分の得た女クリュセイスを返還する代わりにブリセイスをよこせと要求したことからアキレウスの怒りと退陣を招いた。伝説ではアキレウスとブリセイスは愛し合い、アキレウスの死後彼の埋葬と葬礼競技を行ったとか伝えられる。

プレイアデス(すばるの姉妹たち)
天球を支える巨人アトラスの娘たちで、すばるの星となる。

プロメテウス(先慮の神、人間に火を与えた神)
ゼウスが人間を滅ぼそうとした時、こっそり「天の火」を持ち出して人間に与え、そのため人類は絶滅せずにすんだという神話の持ち主。そのおかげで彼はゼウスの怒りを買って岩山にくくりつけられ鷲に内蔵を喰われるという罰を与えられているとされる。この神話を基にしたのが有名なアイスキュロスの『縛られたプロメテウス』となる。彼の名前は「先を慮る神」との意味を持ち、ゼウスの知らない秘密を知っていたことからやがてゼウスと和解することになる(「プロメテウスの神話」の章を参照)。

プロテシラオス(トロイ攻めの英雄)
トロイへと到着し、最初に上陸したものの、最初に討ち死にした。討ったのはトロイの総大将ヘクトルとされる。

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ペイリトオス(英雄テセウスの親友)
テセウスの親友であり、一般には彼とヒッポダメイアとの結婚式の時に、招待していた親族のケンタウロス族と争いになったことが多くの彫刻の題材となって知られる。物語としてはテセウスと二人で冥界に忍んで冥界の女王ペルセポネを浚おうとしたが逆に捕らえられ、後に冥界にやってきたヘラクレスによってテセウスは助けられたがペイリトオスの奪回は失敗したとの話が知られる(「テセウス伝説」の章参照)。

ペガソス(翼を持った天馬)
英雄ペルセウスがゴルゴンのメドゥサの首を落とした時、そこから生まれたという。英雄伝説との関係ではむしろ「キマイラ退治のベレロポン」の馬として知られる。

ヘカテ(道の交差路の女神)
盛期ギリシャの時代には、三つの身体を持ち三つ叉の道に立つ姿が一般に知られる。このヘカテに毎月供物が供えられて貧民の食物となったという。しかし、神話作家ヘシオドスを始めとして、初期の時代にはあらゆる富・幸いを与える神として主神ゼウスすら尊んだとあるが、やがて冥界と関係づけられ呪法の神となり、またたいまつを手に地獄の犬を従える恐ろしい女神などと、少々不可解な神格を持つ。

ヘカトンケイレス(百手の巨人の兄弟)
初代の神、天のウラノスが子供を産んでいった際、このヘカトンケイレスたちを生んだ時にこれを厭い大地に埋め戻したことから、大地ガイアの怒りを買ってその子クロノスによって男根を切り取られることになった。すさまじい力を持った巨人族として、ゼウスたちがクロノスたちとの戦いになった時その味方をして勝利へと導いてやる。

ヘカベ(トロイの老王妃)
トロイの王プリアモスの妻であり、ヘクトルの母。彼女の物語としては、エウリピデスの悲劇『ヘカベ』と『トロイアの女たち』が有名で、そこではあらん限りの悲惨と悲嘆の中にあって懸命に己を支えようとする、ある意味で気高く修羅の道を行く英雄的なヘカベが描かれている。

ヘクトル(トロイの総大将)
トロイ戦争伝説での、ギリシャ方のアキレウスと対をなすトロイ方の最大の英雄。武勇において優れているだけではなく、責任感と誠実さと妻への愛情とにあふれ、人間としての恐れや弱さも持ち、典型的な「人間的な武人」の姿を持っている。アキレウスとの一騎打ちにおいて、神ゼウスはアキレウスとヘクトルの二人の運命をはかりにかけているほど二人は一対となっていて、ヘクトルの死はやがてアキレウスの死に連なることを告げている。ホメロスの物語る叙事詩『イリアス』はある意味でこの二人の交差を描いていたと言える。トロイ戦争伝承の主人公の一人なので、トロイ戦争伝承の様々に登場する(トロイにまつわる章の各所を参照)。

ヘスティア(オリュンポス12神の女神)
「炉の女神」。「炉」というのは古代ギリシャにあっては「家や都市」の「シンボル・生命」であったので、行事では最初に彼女に捧げ者がされる習慣がありもっとも大事な神とされていた。しかし、そのため彼女は都市や家から離れられず、活動ができないため神話で活躍することがなくなり「人間的姿」も持たない。「火」そのものが彼女の姿(「オリュンポスの神々の物語」の章参照)。

ペネロペイア(オデュッセウスの妻、貞淑な妻の鑑)
ホメロスの『オデュセイア』の主要人物で、オデュッセウスの出征の後、長年帰らぬオデュッセウスは死んだとの噂で、家・財宝・国の乗っ取りを謀る多くの求婚者が執拗に迫る中、義父のための衣を織るまではと昼間は織り、夜にはほどいて求婚者の目をくらませて夫を待ち続けたという「貞女の鏡」とされた女性(「オデュッセウスの物語」の章を参照)。

ヘパイストス(オリュンポス12神)
「鍛冶の神」として「造形の神」でもあり、また「火」をも司る。足に障害をもち顔立ちも醜いと言われているのが良く知られている。物語の中では「人の良い」神として一生懸命争いごとを調停している(「オリュンポスの神々の物語」の章参照)。

へべ(青春の女神)
ゼウスとヘラの娘とされるが、天界にあって神々の祝宴があるときには酒をついでまわり、ヘラクレスが昇天してからはその妻となった。

ヘラ(オリュンポス12神の女神)
ゼウスの妻であり、「女性の栄光」を司り、「家庭婦人の守り神」となる。したがって「出産の女神エイレイテュイア」は常にこのヘラに従っている。ゼウスの浮気物語では常に敵役となって神話で「悪役」として活躍(「オリュンポスの神々の物語」の章参照)。

ヘラクレス(最大の豪傑・英雄)
ギリシャ最大の英雄として長大な物語を持つ。その中でも有名なのが12の功業と呼ばれている冒険談で、それは、@「ネメアの不死身の獅子退治」、A「レルナの不死身で猛毒の巨大なヒュドラ(水蛇)退治」、B「クリュネイアの女神アルテミスの聖なる鹿の捕獲」、C「エリュマントスの猪退治」、D「アイゲイアスの家畜巨万の糞掃除」、E「ステュンパロスの鳥退治」、F「クレタの牛退治」、G「ディオメデスの人食い馬退治」、H「アマゾンの女王ヒッポリュテの帯の奪取」、I「ゲリュオンの牛の捕獲」、J「ヘスペリスの園の黄金のリンゴの奪取」、K「冥界の番犬ケルベロスの連行」となる(ヘラクレス伝説)の章を参照。

ヘリオス(太陽神)
巨人(ティターン)神の一人「ヒュペリオン」の子どもで「月のセレネ」「曙のエオス」と三人兄妹。彼は世界を巡る大洋オケアノスの流れの東より出て、天空を横切って再びオケアノスの西に沈むとされていて、後代になると四頭立ての馬車を御して「曙エオス」に先導されて東に出て、天空を駆けて西に沈み、黄金の杯に乗ってオケアノスの流れを再び東へとかえっていくとされた。ヘリオスは12神に入っていないが、ロドス島だけは例外的に彼を主神にしている。

ペルセウス(ゴルゴンのメドゥサ退治、アンドロメダ救出の英雄)
ヘラクレス伝承に先立つ原初の時代に属する英雄。その目を見ると石に化すという怪物ゴルゴンのうちの一人メドゥサ退治で有名。その帰路、海辺で海獣の犠牲にされようとしていたアンドロメダを救出してその妻とする。彼はティリンスの城主でミケーネに枝城を築く。彼の末裔としてヘラクレスが生まれることになる(「ペルセウス伝説」の章を参照)。

ペルセポネ(女神デメテルの娘で、後に冥界の女王)
穀物の女神デメテルの娘であったが、冥界の王ハデスに浚われ、その行方を追う母デメテルの尽力で地上に戻りかけたが、ハデスの策略によって冥界のザクロを食べてしまい、一年のうち三分の一を冥界に暮らさなければならなくなる。その神話は「穀物の種」を象徴していることはよく知られている(「オリュンポスの神々の物語」の章参照)。

ヘルメス(オリュンポス12神)
ゼウスの末っ子。ずる賢いことこの上なかったが、アポロンの弟分となりゼウスに愛されて12神の中に加えられた。管轄は「ゼウスのお使い」というところから「旅人・道」の神となり、後代「冥界への道の守り神」ともなっていく。また「道」を司るところから交易などの「商人」の守り神となり、またアポロンの牛を盗んだ故事にならって「盗人の守り神」にまでなっている(「オリュンポスの神々の物語」の章参照)。

ペレウス(アキレウスの父となる英雄)
女神テティス(同項参照)と結婚することを許され、アキレウス(同項参照)を生むことになる。彼自身の伝承としてはペリオン山での狩での功業とケンタウロスのケイロン(同項参照)との遭遇の話が知られる。そのケイロンにもらったペレウスの槍がアキレウスの槍となる。

ヘレネ(絶世の美女、トロイ戦争の元凶)
スパルタの女王であったが、トロイから来たパリス(同項参照)と恋仲になり出奔してしまい、その奪回のために結成されたのがトロイ攻めのギリシャ・ミケーネ軍となる。「絶世の美女」ということで、ギリシャ以来、西洋の文学において様々に描かれることになる女性(「トロイ戦争伝説」の各所を参照)。

ヘレノス(トロイの王子の一人)
トロイの王子の一人で、妹カッサンドラと双子であり、カッサンドラ同様(同項参照)彼もアポロンによって予言の術を授けられていた。その予言の術だけではなく、戦場にあっても雄々しく戦っていたのだが、パリスの死後ヘレネが兄弟のデイポボスのものとなるに及んでトロイを去っていった。その後ギリシャの将オデュッセウスに捕らえられたとも、あるいはすべての運命を悟って自分の意志でギリシャの陣中を訪れたともされるが、トロイの滅亡の条件を語ったとされる(「トロイの落城」の章を参照。

ヘレン(ヘレネスと総称されるギリシャ民族の祖)
人類を再生させたデウカリオンの子で、ギリシャ民族の本名である「ヘレネス」に名前を残している。彼からドリア人、イオニア人、アイオリス人というギリシャ三大部族の祖が生まれたとされる。

ベレロポンないしベレロポンテス(キマイラ退治の英雄)
コリントスにあって天馬ペガソスを捕らえて自分の馬としていたが、ある事件で策略にあい、リュキアに巣くっていた怪獣キマイラ(同項参照)退治をしなければならなくなる。そして、天馬に乗って天から矢を射てキマイラを退治したという。

ペロプス(ペロポネソス半島に名を残す英雄)
エリス地方のピサのオイノマオスの娘ヒッポダメイアとの結婚に関わる伝承として、オイノマオスは娘ヒッポダメイアの求婚者に戦車競争を提示し、勝ったら結婚を許すが、負けたら死ということで先に求婚者を行かせて後で追いかけたという。オイノマオスの戦車は神からもらったものなので誰もこれに勝てなかったが、ペロプスは御者を買収して車軸を抜かせ、そのためオイノマオスの馬車は車輪がはずれてオイノマオスは投げ飛ばされて死んだ。こうしてペロプスはヒッポダメイアを妻とし、ペロポネソス半島全体を支配するようになって半島に名を残すことになったが、オイノマオスの呪いや、買収した御者とのいさかいにおいて呪われて死んだ。その家系はミケーネ城を巡って凄惨な身内の殺害の連鎖となっていった。

ペンテウス(神ディオニユソスに呪いを受けた王)
エウリピデスの悲劇『バッカイ』の主人公として知られる。ディオニュソスの祭儀は女たちを狂乱に導くものとされ、その神ディオニユソスの伝来にさいしてペンテウスはこれに反抗する。しかし、神ディオニュソスの怒りに触れて、狂乱状態にあった母アガウエや姉妹たちに八つ裂きにされてしまう。

ペンテシレイア(アマゾンの女王)
トロイに援軍として駆けつけた女軍アマゾンの女王であるが、めざましい活躍をするもののアキレウスに討たれてしまう。そのさいアキレウスは、気高くも美しいペンテシレイアに見とれていたということで、兵士のテルシテス(同項参照)にあざけられたという。

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ポイベ(原初の神、クロノスたち巨人神族の女神の一人)
神アポロンと女神アルテミスの母となるレトを生んだ。そのためか、彼女は時にアポロンの聖地デルポイの神託の創始者ともされ、孫のアポロンにそれを譲ったとも言われる。

ポセイドン(オリュンポス12神)
「海の神」「地震の神」として知られる。神々の物語において結局ゼウスが主神となり、そのためおもしろくないのか、ホメロスの叙事詩ではポセイドンは気むずかしく、また損な役割を演じさせられることもある。しかし、「地震と海の神」としてギリシャ人には怖れられまた崇拝されていた(「オリュンポスの神々の物語」の章参照)。

ホライ(季節の女神たち)
ゼウスとテミスの娘たちで「エウノミア・秩序」「ディケ・正義」「エイレネ・平和」の三姉妹とされる。三姉妹の役割は、人間の秩序としての「正義」と自然の秩序としての「季節」を司り、こうして「平和」が形成されると理解できる。

ポリュデウケス(双子神の一人)
「カストル」の項を参照。

ポリュネイケス(オイディプスの息子)
ソポクレスの悲劇『コロノスのオイディプス』の登場人物。他にテバイ戦争伝説の諸物語の登場人物。父を殺し母と子をなしたことが明らかとなってオイディプスは自ら荒野へと出て行く。その後を息子たちが王位を争い、兄弟のエテオクレスに追放された彼は亡命してアルゴスへと流れ、そこで迎えられて「テバイ攻め」の軍が形成されることになった(「テバイ伝説」の章を参照)。

ポリュペモス(一つ目の巨人)
ポセイドンの子で、ホメロスの『オデュッセイア』の中で、オイディプスにその目をつぶされる巨人として登場する。ガラテイアの物語に登場するポリュペモスは別人かどうか定かではない。

ボレアス(北風の神)
ギリシャ北方トラキアにすむとされ、冬の厳しい北風の具象化。アテネの王女オレイテュイアをさらって妻としたという話が伝えられる。またトロイ戦争伝説での英雄アキレウスの人語を話す名馬「クサントス」もボレアスの子とされるが、子どもで有名なのは「アルゴー船伝説」でのハルプュイアを退治した「ゼテスとカライス」の兄弟となる。彼らは足に翼を持って疾風のようにとぶことができて、同じように疾風となって逃げるハルプュイアを追いかけ退治した。

ポントス(原初の海原の神)
宇宙創生の神ガイアの子で「海原」を意味する。

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